2013師走

 新しいことに取り組み続け、何かと走り続けた一年がもうすぐ終わります。なかでも花圓紗維については、今年インターネットのお習いごとサイトを運営なさっている『東京レッスン.com』さんからお話を頂いて、そちらで教室紹介に特化したページを開設しました。その際、多くの貴重なアドバイスを頂き、そのきっかけで花圓紗維として初めて月謝制を設けることになりました。

 花圓紗維でいけばなを始めようかと考えていらっしゃる方がご覧になることもあると思いますので、参考までに月謝の概要を書いておくと、月謝制のコースは初級・中級・上級の3コース、いずれも月2回が基本です。ほかに、従来通りの1回ごとの予約も可能です。いずれも花材費込みとなっています。初級が月\8,000、中級 月\10,000、上級 月\12,000、1回ごとのレッスンはこれまでと変わらず5,000円です。初級コースは草月流のカリキュラムに則って進めるレッスン。テキストを修了され、師範資格を目指される段階に入ったところで、中級となります。上級コースは、ご本人のご希望があり、潤沢な花材の準備のほか、アートシーンへの転化を想定した難易度の高いテーマ設定や、空間表現の実際などへの応用の準備、各種ディスプレーなど実践の場をお持ちのプロの方のスキルアップへの助言など、通常のいけばなをはるかに凌いだ指導を求められる場合のコースとご理解いただければよろしいかと思います。

 もともとは、いけばなを始めたいと考えていらっしゃる方が始めやすいように、ということで1回ごと、というシステムにしたのですが、実際に何年かそのスタイルで続けてみて、コンスタントに続けていくことではじめて人の内側によりしっかりと根付くものがあるかもしれないと考え始めていたところに、ページ開設にあたっての東京レッスンさんとの打ち合わせを通じて、それまで伝えきれていなかったことに私自身が気づくことができた、ということ、それが今年見えない一歩の踏み出しをもたらしてくれたと思っています。東京レッスンさんの誠意ある姿勢にはほんとうに感謝しています。おかげさまで今年3名の方が初級コースのレッスンを開始されました。

 私も含めてちょっとずつちがう経験やキャリアの持ち主が集いました。共通点は、花といけばながとても好き、ということ。それから花・植物の存在のすばらしさだけでなく、『いけばな』の空間のなかでの存在の可能性に、みなさん直観的な気付きをお持ちです。習いたいと始めてくれた方3人が3人ともその気付きを持っている、ということに私自身がとても驚いています。長く楽しく続けて、いずれ資格も目指して、それぞれの未来を豊かにするビジョンをお持ちです。そんなみなさんの意欲をしっかりと受け止め、後押しし続けたいと思っています。考えてみれば、この無名の作家の小さな教室の門を叩こう、という人たちです。そのこと自体が、名声でも、器でもなく、花圓紗維を中身で選んで頂いたということ。そのことへの感謝を初心として持ち続けていきたいものです。習いに通ってくださる方、ひとりひとりの内面に潜む真に豊かな風景をそれぞれがご自分自身で見出されていくことを願ってやみません。「本物は残りますから。」、先日近くの印章店に花圓紗維の印を作ってもらおうと訪れたところ、そんなひと言をかけていただきました。紛れもない本物をめざしてきました。ただ一瞬もそのことから目を背けたことはありません。よきこと、よきものを目指して、私もまた探し続け、歩き続けていかなければ。

 今日のクリスマス、これまでお世話になってきたみなさんが、和み、温もり、夢のきらめきの中で過ごされますように。祈りをこめて。

Merry Christmas!
                                         喜  苑